高血圧治療薬のサイアザイド系利尿薬が適した方とは?

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利尿薬には様々な種類がありますが、高血圧を改善する目的で使用される薬剤は主に「サイアザイド系利尿薬」です。
(サイアザイド系利尿薬に関しては、「高血圧治療薬を分類別に解説!利尿薬とは?」をご参照下さい。)

サイアザイド系利尿薬は、安価であり、ナトリウムを尿として排泄させやすくする効果(※)があるため減塩が困難な高血圧症に有効であるため、ここで記載している合併症がない方にもカルシウム拮抗薬ARBACE阻害薬などと併用して使用されることが多いです。
(※ 「食塩とナトリウムの関係」については「ナトリウム表示は食塩量ではない!食塩相当量を換算する方法」 をご参照下さい。)

サイアザイド系利尿薬の積極的適応

積極的適応」とは、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」において、高血圧症にどのような疾患を併せ持つかにより、どのような高血圧治療薬が適切か推奨されているものです。

サイアザイド系利尿薬は、高血圧症に以下のような合併症があった場合に積極的適応となります。

  1. 心不全
  2. 慢性腎臓病の尿蛋白が陰性
  3. 脳血管障害慢性期
  4. 骨粗鬆症

骨粗鬆症以外は既に説明している疾患となります。

心不全がどのような疾患かに関しては「高血圧治療薬のARB・ACE阻害薬が適した方とは?」を、慢性腎臓病と脳血管障害慢性期については「高血圧治療薬のカルシウム拮抗薬が適した方とは?」をご参照下さい。

心不全

心不全は心臓のポンプ機能が低下することにより、全身の様々な器官にうっ血が生じ、異常が出ることが多いです。

利尿薬は心臓を含めた臓器うっ血の治療や予防に効果があるため、心不全に積極的適応となっています。

特に、心不全は「収縮機能不全」と「拡張機能不全」に大きく分けられますが、身体の各器官に必要とされる血液を心臓の左室から拍出する機能が障害を受けているものが収縮機能不全です。

収縮機能不全では、ARBACE阻害薬β遮断薬利尿薬の併用療法が標準的な治療方法となっています。

慢性腎臓病の尿蛋白(にょうたんぱく)が陰性

慢性腎臓病CKD)の原因の多くは、糖尿病性腎症です。

CKD患者の約4割が糖尿病を合併してるといわれており、実際、糖尿病性腎症は新規透析導入の原疾患の第1位となっています。

(※引用元 「糖尿病管理|腎臓病といわれたら.com」)

尿中微量アルブミン」は、糖尿病性腎症早期などにみられる尿検査の検査項目です。

糖尿病を併せ持つ高血圧患者において、この「尿中微量アルブミン」を、サイアザイド系類似利尿薬が抑制したと言う大規模臨床試験(NESTOR)があります。
(※参考 J Hypertes.2004;22 1613-22)

つまり、このことは高血圧患者に対してサイアザイド系利尿薬糖尿病性腎症の早期に有用であることを示しています。

また、慢性腎臓病心血管疾患の危険因子です。

微量アルブミン尿は腎障害の早期で検出され、蛋白尿は腎障害が比較的進行すると検出されますが、軽度の蛋白尿や尿中微量アルブミンが高いだけでも、心血管疾患を発症する危険因子となります。

このため、尿中微量アルブミンを抑制できるサイアザイド系利尿薬慢性腎臓病を併せ持つ高血圧症積極的適応となっています。

なぜ、尿蛋白陰性でのみ積極的適応となり、陽性では積極的適応となっていないのかに関しては不明でした。

しかし、私の推測で恐縮ですが、「尿中微量アルブミン」は糖尿病性腎症の早期で検出でき、これを抑制したと言う試験結果(エビデンス)があり、これは尿蛋白を抑制したと言う試験結果ではないため、尿蛋白陰性でのみ積極的適応になっているのではないかと思います。

脳血管障害慢性期

サイアザイド系利尿薬臓器障害予防効果があり、主にARBACE阻害薬で効果がなかった場合や、ARBACE阻害薬に追加して使用されることが多いようです。

PROGRESSと言う大規模臨床試験では、ACE阻害薬サイアザイド系類似利尿薬を併用した場合と、ACE阻害薬単独では、脳卒中をどちらがどの程度予防できるか検討しています。
(※参考 Lancet. 358: 1033-41;2001)

この調査では、ACE阻害薬サイアザイド系類似利尿薬の併用の方が、ACE阻害薬単独よりも、血圧を低下させ、脳卒中発症率を43%も減少させました。

さらに同調査では、少なくとも上の血圧が127.2mmHg、下の血圧が74.8mmHgまでは、血圧低下により脳卒中予防効果があることも示しています。

骨粗鬆症

サイアザイド系利尿薬は、腎臓の遠位尿細管(原尿が通過する管で、尿が作られる際に再吸収や分泌を受ける組織)と言うところで、体内のカルシウムが尿の中に排泄されるのを阻害します。

カルシウムは骨形成に必要な成分であるため、体内にカルシウムが保持されることで骨粗鬆症に効果があるのだと思われます。

事実、骨粗鬆症治療薬サイアザイド系類似利尿薬を併用することで、骨粗鬆症治療薬単独で使用するよりも骨密度を改善したと言う報告があります。
(※参考 NEPHROLOGY DIALYSIS TRANSPLANTATION (UK) 24 1472-1477, 2009)

 

以上、「高血圧治療薬のサイアザイド系利尿薬が適した方とは?」でした。

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