妊娠中・授乳中に使用される高血圧治療薬とは

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当ブログをいつも読んで下さっている方は、過去に何度が書いているので既にご存じかと思いますが、高血圧治療薬である「カルシウム拮抗薬」と「ARB」、「ACE阻害薬」はとてもよく使用される薬剤です。

しかし、妊娠中の方には、ニフェジピンを除くカルシウム拮抗薬ARBACE阻害薬は使用できません。

今回は、妊婦や授乳婦にはどのような薬剤が使用されるのかを中心に解説します。

妊娠高血圧症候群について

正常な妊娠では、妊娠初期に低下し始め、20~32週ころまでに妊娠前の血圧に戻り、32週を過ぎると血圧が上昇しやすくなります。

妊娠高血圧症候群は以下のように定義されています。

妊娠20週以降産後12週までに高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。
ー略ー
収縮期血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上(重症では110 mmHg以上)になった場合、高血圧が発症したといいます。
ー略ー
この病気は、妊婦さん約20人に1人の割合で起こります。妊娠32週以降に発症することが多いのですが、早発型と呼ばれる妊娠32週未満で発症した場合、重症化しやすく注意が必要です。

(※引用 妊娠高血圧症候群:病気を知ろう:日本産科婦人科学会

妊娠高血圧症候群では、血圧を上昇させることで子宮胎盤での血液の循環を改善しようとしているため、血圧を不適切に下げることは胎児の発育不全につながる可能性があると考えられています。

このため、通常の高血圧症では減塩が積極的に行われますが、妊娠中では過度急激減塩は勧められていません。

妊娠高血圧症候群に対する薬による治療

高血圧治療ガイドライン2014」では、妊娠高血圧症候群において基本的には、軽症(140/90mmHg以上)ではなく、重症(160/110mmHg以上)を高血圧治療薬を使用する開始基準としています。

妊娠前に高血圧症でARBやACE阻害薬を使用していたとしても、妊娠が判明した場合にはARBACE阻害薬は基本的に中止となります。

その理由として、奇形を起こしやすくすることや胎児の腎臓の形成不全、洋水過少症の恐れが報告されているためです。

妊娠高血圧症候群と診断された場合に、まず使用を検討される薬剤は以下の通りです。

妊娠20週未満

妊娠20週未満では、主に以下の3種類から薬剤が選択されます。

  • メチルドパ水和物アルドメット
  • ラベタロール塩酸塩トランデート
  • ヒドララジン塩酸塩アプレゾリン
    (※一般名(主成分の名称)で記載しています。カッコ内は先発品(ジェネリック医薬品ではない薬)の商品名を記載しています。)

一つの薬剤で血圧が十分に下がらなかった場合などは、二つの薬剤を併用しますが、併用する場合はメチルドパヒドララジン、またはラベタロールヒドララジンの併用が推奨されています。

妊娠20週以降

妊娠20週以降になると、上記の3種類の薬剤徐放性ニフェジピンアダラート)を追加した4種類の薬剤の中から選択されます。
(※ ニフェジピンはカルシウム拮抗薬に分類されますが、カルシウム拮抗薬については「高血圧治療薬を分類別に解説!カルシウム拮抗薬とは?」をご参照下さい。)

ニフェジピンには「短時間作用型」と「長時間作用型」のものがありますが、徐放性ニフェジピンとは長時間作用型(アダラートCRアダラートLなど)を指します。

これらの4種類の薬の中から2種類の薬を併用する場合は、異なる作用の薬剤を組み合わせるため、交感神経抑制薬(メチルドパ、ラベタロール)のいずれかと、血管拡張薬(ヒドララジン、徐放性ニフェジピン)のいずれかを併用します。

これらの4種類の薬の用法や特徴などについては、「妊娠中に使用できる4種類の高血圧治療薬」をご参照下さい。

授乳中の使用が推奨されている高血圧治療薬

通常では、妊娠高血圧症候群は出産後に改善していきます。

授乳中では、妊娠中よりもより多くの薬剤が使用可能となります。

高血圧治療ガイドライン2014」で授乳中でも服用可能と考えられている薬剤は以下の通りです。

分類 一般名(※1) 商品名 妊娠と薬情報センター(※2) LactMed(※3)
カルシウム拮抗薬 ニフェジピン アダラート 可能 可能
ニカルジピン塩酸塩 ペルジピン 可能 可能
アムロジピンベシル酸塩 アムロジン 可能 情報ないため、他の薬剤推奨
ノルバスク
ジルチアゼム塩酸塩 ヘルベッサー 可能 可能
交感神経抑制薬 ラベタロール塩酸塩 トランデート 可能 可能だが、早産時では他の薬剤推奨
プラプラノロール塩酸塩 インデラル 可能
メチルドパ水和物 アルドメット 可能 可能
血管拡張薬 ヒドララジン塩酸塩 アプレゾリン 可能 可能
ACE阻害薬 カプトプリル カプトプリル 可能 可能
エナラプリルマレイン塩酸 レニベース 可能 可能

(※1 一般名とは、薬剤の主成分の名称となります。)
(※2 国立成育医療研究センターが運営している、妊娠中や授乳中の薬剤服用に関するウェブサイトです。相談窓口もあります。)
(※3 アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)が運営している、授乳中の薬剤服用に関するウェブサイトです。)

商品名には先発医薬品(ジェネリック医薬品ではない方の薬)の名称を記載していますが、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の場合は、多くが「一般名+剤型+含量+会社名(屋号など)」(剤型とは薬の形態のことです)となっています。

例えば、ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル200mg「日医工」のような感じです。

ジェネリック医薬品の場合でも、名称が「一般名+剤型+含量+会社名(屋号など)」となっていないものがあったり、主要なもののみ記載しているため、ここに記載がない場合は「お薬検索[薬事典] – メディカルiタウン」でご自身の服用されている医薬品を検索されると、一般名や分類などが分かります。

これを見ると、妊娠中では禁忌とされているACE阻害薬の一部も、授乳中では安全に使用できることが分かります。

高血圧治療薬に限らず医薬品であれば、妊娠中に比べると、授乳中は使用可能なケースが多くなります。

しかし、必ずしも「妊娠中に使用できる薬であれば、授乳中でも安全に使用できる」と言う訳ではないので、自己判断で使用しないようにしましょう。

上記の表で使用可能とされていない薬であっても、医師の責任の下で授乳中に使用される事はあります。

気になることがある場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみて下さい。

 

以上、「妊婦・授乳婦は必見!妊娠中・授乳中の高血圧治療薬」でした。

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